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社長ブログ

トヨタ自動車 豊田章男会長のインタビュー記事

当社の仕事は自動車産業と密接でして、昨年末から今年前半は全くもっていいニュースがありませんでした。
日本の自動車メーカーのトップリーダーであるトヨタ自動車・豊田章男会長がどんなことを考えているのか?
気になって、記事を読んでみました。

「言ってはいけませんが、でも本音を言えば……」トヨタ自動車・豊田章男会長が認証不正問題の渦中に独占告白!

個人的な感想ですが、とても正直なお人柄だと感じました。
良い意味で普通の感覚があり、自然体な印象を受けました。
聞かれたことに対して、率直に答えておられますね。

認証不正については、メーカー側がデータを改ざんした事例もありますが、基本的には認証制度が実態に即しておらず、より安全側の内容で試験によって得られた結果を「不正」とされてしまうのは納得がいかないでしょうね。
それに対して、「世界一厳しい基準を日本で」と提言されています。
自信の表れだと思います。

また「トヨタは完璧でなく、今後も間違いを起こす」と明言されています。
潔いよいですね。
普通は「二度とこのようなことの無いよう・・・」というのが常套句ですが、章男会長がこんなことを言ったらどうなるでしょう?
現場は不都合を隠すほうにベクトルが向いてしまうでしょう。
自分の発言が現場にどう影響するか?
そういうことが手に取るように分かるんでしょうね。

今回のインタビューに限らず、ニュース的に今回の件は
「不正認証」
と言われますが、この言いかたは実態に合っていないし、何かとんでもないことをしでかした印象を受けます。
もちろん本当にダメな事案もありますが、
税務の世界でいう「見解の相違」というのが正しい捉え方だと思います。
見解の相違であれば、当局とメーカー双方の言い分は汲み取りつつ、正すべきところは正し、操業は大きく止めることなく引き続き生産していくことができたと思っています。

半年以上に渡って、生産が滞ったため、国内の自動車部品メーカーの財務状況はかなり痛んでしまったのではないかと想像されます。

今回のインタビュー記事を読んで分かりましたが、認証プロセスは自動車メーカーにとってはかなりの負担になっており、トヨタですら全容を把握できていないのです。
どうしたら安全性能や環境性能を担保しつつ、スピーディーな認証を行っていけるのか?
そして願わくば、その方法を世界標準に持っていくこと。
国策としてきちんと考えていくべきです。

日本の自動車メーカーも国内生産はたったの3割です。
日本国内は少子高齢化やシェアリングで、今後需要は減っていくと予想されます。
しかし世界は違います。
まだこれから伸びていきます。
半導体ばかりに目を奪われていてはいけません。
半導体も自動車(自動運転)とセットなります。
交通安全・環境・安全保障で信頼のおける車を作れるのは日本です。

前述のとおり、部品メーカーが痛んでいます。
ものづくりのサプライチェーンが壊れかねません。
政治家・官僚・メーカーが一体となって日本の自動車産業を更に盛り立てて頂きたいと切に願っています。